2008年01月12日

和泉式部日記「一段」

  夢ははかないもの、、、、、。

夢よりもはかなき世の中を嘆きわびつつ明かし暮らすほどに、4月十余日にもなりぬれば、木の下くらがりもてゆく。

築地の上の草あをやかなるも、人はことに目もとと‘めぬを、あはれとながむるほどに、近き透垣のもとに人のけはひすれば、「たれならん」と思ふほどに、故宮にさふ‘らひし小舎人童なりけり。



 通 釈(現代語)
はかない夢よりも、もっとあっけない世の中、、今は亡きあの人(為尊親王)との仲を嘆き悲しみながら、日々を送っているうちに、いつのまにか四月十日過ぎにもなってしまいました。
木々が生い茂り、木下の闇もだんだんとその暗さを増していきます。

築地(土塀)の上に生えている草の青さにも、他の人は特に目をとめたりはしないのですが、私だけがしんみりした気持ちで眺めていると、近くの透垣(垣根)のもとで人の気配がしました。
「いったい誰なのかしら」と思っていたら、亡き宮様(為尊親王)にお仕えしていた小舎人童(貴人に仕える少年)だったのです。

 突然悲しみに包まれた和泉式部の前に童が現れましたが、いったい何の用事で来たのでしょうか。次回へ

  和泉式部ってどんな人?
あの紫式部が彼女のプロフィールを書き残しておいてくれました。
・素敵な手紙をやり取りした人
・すごく才能のアル人
・歌の知識や理論的な面は苦手、だから本格的な歌人とは言えないみたい、ただ、さっ と口から出た歌などに、凄いという部分が必ずある
・でもモラルに反したところがある。と「紫式部日記」に記しています。

 一般的には「男関係が派手で浮気っぽい女性」等といわれていますが、人間くさく気持ちに正直な可愛い人ですね。
 






  






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